◆ 2009年3月27日
シリーズ「森」|第2回

日本が森に対して犯している2つの罪
世界では毎年、日本の国土面積のおよそ3分の1(=約1,250ヘクタール)の天然林が減少し続けている。8000年前と比べると、世界の原生林の8割が既に失われているという。単に地図から緑色がなくなったのではなく、そこに生きていた無数の生物のかけがえのない棲みかが失われ、その森にしか棲むことの出来ない多くの生きものが地上から消えていったことになる。

減少の原因として様々な理由が挙げられるが、一番の要因は人為的なものに他ならない。特に近年、先進国の木材の需要が加速。中でも私たち日本人が消費する木材は、世界の森の消滅に拍車をかけている。住宅用の建材として、または大量に使われる紙の原料=パルプとして、世界中の森から日本へと、日々続々と輸入されている。
例えば「南洋材」と称されるマレーシア、インドネシアの森は、元来の未開拓林の70~85%が既に失われてしまい、今も急速なスピードで減少し続けている。そして、その内の8割が違法伐採と推測されている。違法伐採された後の森には、行き場のなくなった虫たちが大量に出るため、毒を撒いて命の息の根を止めてしまう。これらは中国などに違法に輸出され、そこで加工された製品が日本などの最終消費国へと再輸出されている例もある。

日本の森はどうなっているかというと、日本の国土はその8割が森林であるにも関わらず、木材の自給率はたったの2割。戦後の政策により日本の天然林の7割は伐採され、成長が早くまっすぐ育ち、材として利用しやすいスギやヒノキなどの針葉樹ばかりを植林されてしまった。一応「緑色」ではあるものの、それはもはや森でなく単なる「木の畑」に過ぎない。
しかしもっと酷いのは、その後の貿易の自由化によって外国の木材が安く手に入るようになると、木の畑にされた森は手入れされることもなくそのまま放置され、生きものたちを瀕死の状態に追いやった。
日本は森に対して2つの罪を犯している。自国の森を木の畑にして見捨てたこと。そして世界中の森を消滅させていること。
日本の森を蘇らせるプロジェクト:C.W.ニコル・アファンの森財団の取り組み
「日本の森を再び生物の多様性溢れる豊かな森に戻したい」1970年代以来、原生林の伐採や里山の放棄により、そこに暮らしていた多くの動植物たちが生きられなくなっている日本の森。C.W.ニコル氏は、20年前から長野県にある荒廃した森を少しずつ買い取り、「アファンの森」と名付けて森の再生活動を行っている。今では様々な生物が暮らせる森になりつつある。この小さな森の再生が日本中の森を蘇らせる一歩となることを願い、2002年に財団法人を設立。1種でも多くの生物と1人でも多くの子供たちの笑顔のために、森づくりを進めている。
「日本の森を再び生物の多様性溢れる豊かな森に戻したい」1970年代以来、原生林の伐採や里山の放棄により、そこに暮らしていた多くの動植物たちが生きられなくなっている日本の森。C.W.ニコル氏は、20年前から長野県にある荒廃した森を少しずつ買い取り、「アファンの森」と名付けて森の再生活動を行っている。今では様々な生物が暮らせる森になりつつある。この小さな森の再生が日本中の森を蘇らせる一歩となることを願い、2002年に財団法人を設立。1種でも多くの生物と1人でも多くの子供たちの笑顔のために、森づくりを進めている。
財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団:長野県上水内郡信濃町大井 43-2 TEL. 026-254-0801
野口理佐子人と自然の研究所/有限会社カルティベイトカンパニー 代表取締役
財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団理事
1994年、環境で食べていくことをモットーに有限会社カルティベイトカンパニーを設立。環境プランニング、コーディネート業務を行う。その後、人と自然のつながりをテーマに、生態系の正しい知識を普及する市民シンクタンク「人と自然の研究所」を設立し、「ビオトープ管理者養成通信講座」を開講。現在、全国各地で約4,500名以上が受講している。日本の森の再生活動を実践する財団法人 C.W.ニコル・アファンの森財団の設立など、あらゆる生物とともに暮らせる地域づくりを目指し、ビオトープ再生を実践中。
