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◆ 2009年11月28日

持続的であるということ

映画『地球交響曲・ガイアシンフォニー』は、1998年に星野道夫さんが出演された第3番を見て以来、心に響く大好きな映画になっています。

これまでに第1番~第7番までが製作されていますが、監督の龍村仁さんは、これからの時代において一人ひとりの人間の心の持ち方、価値観、選択の判断がとても重要であると言っています。それは社会から見たら小さなゆらぎであるが、その小さな変化が結局は大きな変化につながるものだからです。

持続可能な社会を創ることが、私たち人間社会の共通課題になっていますが、以前聞いた龍村さんのお話を紹介して、参考になればと思います。


持続的な森林利用を行っていた先住民たち

カナダ・ブリティッシュコロンビア州の原生林の中を友人のポール・スポング博士と共に散策している時の事だった。ポールはシャチの研究家として世界的に知られる人だが、同時に過去数十年にわたってカナダの原生林を守る活動も続けている。

「ジン、ちょっとあの樹をよく見てごらん」

ポールが指さす先に樹齢200年ぐらいの巨大なアメリカ杉がそびえ立っている。この森の中にはポールたちが、"祖母の樹(グランマザー・ツリー)" と呼んでいる樹齢2,000年を超える巨樹もあり、私はポールを訪れる度にその"祖母"に会いに行って、大きな力を与えられていた。

その"祖母"に較べると、ポールの指さす樹は確かに巨大だが、まだ若々しさがあり、人間でいえば働き盛りというところだろうか、周りの樹々に較べてさほど特別なナニかがあるようには見えない。そう思っている私の心を見透かすように、ポールがあのイタズラっぽい笑顔でニヤッと笑った。

「ここだよ、ここ。ここをよく見てごらん」

樹に近づいたポールが、直径3m近い幹の中央のあたりを、腕をいっぱいに伸ばして上から下へやさしくなでおろした。ポールの手の動きに沿ってよく見てみると、地上5mぐらいの所から1mぐらいの所まで、縦にまっすぐに薄い亀裂が走っている。そして、その亀裂を覆うように左右から幹の一部がこんもりと盛り上がっている。

「100年ぐらい前、先住民の人たちがこの樹を利用した痕跡だよ。傷の大きさから見て多分カヌーのパドルか骨組みをつくったんだ」

当時の先住民の人々は、樹の生命を絶つこともなく、必要に応じて樹を利用する様々な方法を知っていた。この場合は、樹のある部分にくさびを打ち込み、柾目(まさめ)に沿って幹の一部を取り出したのだ。その傷の程度は、樹にとって傷ではあったが致命傷ではなかった。いや、むしろ傷ついたことによってこの樹は、自分の生命の自然治癒力を一気に活性化して、100年ほどの間に自ら傷を癒し、ある意味では生きる力をさらに高めて堂々と生き続けているのだ。

教えられない限り、この樹がかつて人に利用されたことがあるなどと全くわからないほど健康に見える。

人は自らの欲求にもとづいて、自然を利用し変えてゆく。しかしその時、自然を"自分と同じ生命を分かち合っている存在"と見ているか、単なる"物"と見ているかで何かが決定的に違ってくるのだ。

自然を


持続可能性という言葉がおそらくはなかった時代に、持続的な森林利用を行っていた先住民たち。

現代社会は、彼らの叡智、生活、習慣からきっと多くのことを学べることでしょうね。

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Kazz
前職のSEを12年勤めた後、自然環境保全を学び、2001年よりリコーにて環境社会貢献を担当。北米先住民の知恵「7世代先のことを考えて行動する」に深く学びながら、持続可能な社会を目指して「地球環境の回復力向上」のため、NGOとの連携による森林生態系保全プロジェクトの推進、社員の環境ボランティア活動促進など自然生態系の保全に取り組む。 08年設立の国内企業が連携して生物多様性保全に取り組む「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」の研究開発部会長

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