定期購読する(RSSフィード)

文字サイズ

◆ 2009年5月12日

生命が輝き深い花の咲く場所

昨年3月、森林生態系保全プロジェクトの視察で、沖縄の「やんばる(山原)」に行きました。
やんばるとは、沖縄本島北部の国頭村、東村、大宜味村の辺りの総称で、深い緑につつまれた亜熱帯の森が広がる場所です。

やんばるの森森の総面積は340K㎡、平均気温22度、年間降雨量3,000mm。熱帯から温帯までの多くの生物が生息し、動物は3,700種、 植物は1,200種を超えているといわれており、様々な生命の多様性に富んだ「奇跡の森」と呼ばれています。

プロジェクトでは、地元の環境NPO「やんばる森のトラスト」が、この地域の自然の大切さや素晴らしさを地元の人々に理解してもらいながら、森を守るさまざまな取り組みを地道に継続して行っています。
日本野鳥の会・重要野鳥生息地(IBA)ページ

私は今回初めて現地の自然に接したのですが、ヤンバルクイナやノグチゲラ、サシバ、イソヒヨドリ、リュウキュウコノハズク、リュウキュウツバメ、リュウキュウアオガエル、ハナサキガエル、シリケンイモリなど実に様々な生き物たちに出会うことができ、多様性の豊かさを実感することができました。

ところが、このやんばるの地は素晴らしい自然を奇跡的に保っているにもかかわらず、未だ国立公園に指定されていないのです。そのため、ダムや林道など土地の開発が進み、ハブ退治のためにかつて外部から持ち込まれたマングースが繁殖して、飛べない鳥で希少性の高いヤンバルクイナなどの生き物たちが絶滅の危機にあります。

昔からこの地に根付く伝統文化や自然を守ろうとする人々がいる一方で、開発を推し進めようとする者もおり、様々な考えや立場の組織や人々がいることが、大きな原因の一つといえます。その中で、持続的な社会に向かって、人間と人間、人間と自然との関係の見直しが少しづつ現地で起き始めているのを感じました。

訪問時のやんばるの森は、芽吹きの季節を迎え、黄緑色に森が染まっていました。スダジイの黄色い若葉、イジュの赤い新芽、シロダモの若葉など。さまざまな木々が茂り、多様な生命に彩られた姿を見て、「小さな人生論」シリーズで有名な、致知出版社社長・藤尾秀昭氏の言葉を思い出しました。

生きるとは、ただ生き切るということである。
この地上にある生命あるものはすべて、
ただ生きるという目的に向けて、全力をあげて生きようとしている。
そのことだけを信じて躍動している。
それが生命の本質である。
そして、それが天の意思である。

自ら意志することで、 己が生命をさらに輝かせ、 深い花を咲かせることができるのだ。やんばるの森は、私にそのことを教えてくれました。

記事一覧


Kazz
前職のSEを12年勤めた後、自然環境保全を学び、2001年よりリコーにて環境社会貢献を担当。北米先住民の知恵「7世代先のことを考えて行動する」に深く学びながら、持続可能な社会を目指して「地球環境の回復力向上」のため、NGOとの連携による森林生態系保全プロジェクトの推進、社員の環境ボランティア活動促進など自然生態系の保全に取り組む。 08年設立の国内企業が連携して生物多様性保全に取り組む「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」の研究開発部会長

ガイアイアのキーワード

年別アーカイブ

最近のコンテンツはインデックスページで、過去に書かれたものは月別及び年別アーカイブで見ることができます。また、その他の社環本メンバーが書いたコンテンツは社環本ブログ・メインページでご覧いただけます。